2012年2月7日火曜日

命を賭ける者。賭けない者。

2011年12月4日
新日本プロレス「New Japan Alive 2011」最終戦 名古屋大会


この日のメインイベントは、
IWGPチャンピオン棚橋弘至VS永田裕志。

この試合の実況中、
実況アナウンサーが、
永田裕志がミルコ・クロコップと戦った過去から、
ミルコ・クロコップを馬鹿にした発言があった。

「ミルコなんちゃらは今どこで何をしているか、
全くわからない状況になっています。」

PRIDE・K-1の栄枯盛衰から、
生き残ったのはプロレスで、
永田裕志だと言いたかったのだと思う。


しかし、私はこの実況に無性に腹が立った。


ミルコ・クロコップに限らず、
PRIDEに出場していた選手。
K-1に出場していた選手。
今も現役で出場している選手。
彼らは命を賭けてリングに上がっていると思う。

そして、プロレスラーもまた、
身を削り、命を賭けてリングに上がっていると思う。


この実況アナウンサーは、
ミルコ・クロコップという命を賭けてリングに上がった人間を馬鹿にした。

実況という仕事をする上で、
命を失う危険があるだろうか。否、絶対にない。


命を賭けて戦う人間を、
命を賭けていない人間が、
笑ってはいけない。
絶対に。
馬鹿にしてはいけない。

実況アナウンサーという、不特定多数の人間に事物を伝える人間が、
発して良い言葉では無かったと思う。



例えば、この試合を、
昔、PRIDE・K-1を好きだった人間がたまたま見たとしよう。
そんな人がこの実況を聞いたら、どう思うだろうか。

プロレスにいい印象を抱くだろうか。
今後もプロレスを見たいと思うだろうか。
そんな人が、プロレスの会場に足を運ぼうと思うだろうか。

もしかしたら、この発言一つで、
プロレスファン候補を失ったかもしれない。

プロレスを愛し、
プロレスの発展を望むのであれば、
プロレス以外の格闘技やスポーツに対し、
尊敬の念を持って接し、言葉を選ぶべきである。


そんな人が増えて欲しいと、強く思う。

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